飲食店-寿司職人になるには

日本の伝統的な食文化を守る

2014年オバマ大統領が来日したとき、大好物だというお寿司をごちそうするため安部総理は銀座の名店「すきやばし次郎」に案内をしました。

すきやばし次郎は昭和40年より開業をしている銀座の老舗寿司店ですが、そこの寿司職人である小野次郎さんは同年紫綬褒章も受賞しました。

そのときのコメントが「すし屋のおやじが受賞するなんて思っていなくて」というような大変腰の低いものであったこともまた、長年寿司職人をしてきた人らしいものとしてかなり評判になりました。

さらに同じくコメントで「生まれ変わってもやっぱりすし屋になりたい」というようなことも言われており、ご自身が寿司職人として人生を送ってこられたことに強い誇りを持たれていたことが伺えます。

お寿司が大好きという日本人はかなり多いでしょうが、現在では一般的な「お寿司」は回転寿司店で食べるものとなってきており、なかなか本当の寿司職人の手によるお寿司は食べる機会がなくなってきました。

それでも寿司という日本を代表する食文化を守る寿司職人という仕事は、今後も必ず必要になっていくことと思います。

寿司職人になるには

日本国内で飲食店を営業するとき、特に必ず取得しなくてはいけないような資格はありません。

ふぐ調理師などごく一部特殊な技能が必要な料理を除き、資格がなくては就くことができない厨房内の仕事はないので、もし全く飲食業の経験がない人であっても雇い主側が採用をすればその日からお寿司を握ることはできます。

お店にもよりますが、一般的な回転寿司チェーン店ではお寿司を握るスタッフについて経験などを求めていないことも多く、入って間もないアルバイトが握っているなんてこともよくあります。

ですがすきやばし次郎のような有名寿司店でお寿司を握るためには、かなり長い修業をしなくてはいけないことが普通です。

カウンター式のすし店では、調理長ないしは店長、板長などと呼ばれる大将がおり、新たに入った人はそこで順を追いながら少しずつノウハウを覚えていくことになります。

昔は一人前の寿司職人になるには数十年がかかって当たり前と言われていたので、長年そのお店で下働きをして数十年後にようやくお店の看板をもらい、そこから自分のお店を持つというルートがとられていました。

ですが現在ではすきやばし次郎のような超有名店を除き、ほとんどのお寿司屋さんは回転寿司チェーン店などにお客さんを奪われてしまっており、お店の数も減っているので従来のような修行を経てから自分のお店を持つという夢を持つ寿司職人さんはそう多くなくなっています。

海外ではまだまだ人気の寿司店

日本国内ではかなり厳しい状況におかれている寿司店ですが、海外を見るとどんどん出店が進んでいたりします。

東南アジア地域などでは特にその傾向が強く、わざわざ日本の調理専門学校に留学をしてそこでお寿司の技術を学び、卒業後に自国に戻ってお店を開くというようなことをする人も増えてきています。

反対に日本で寿司技術や和食について勉強し、海外に出てそこで飲食店を開くという日本人も同様に増加傾向にあります。

最近では本来の寿司と全くかけ離れた食べ物を「寿司」」と称して販売しているエセ日本食店も世界各国にでてきているので、これからはより本格的な日本食を作ることができる人材は多く求められていくことと思われます。