原子力技術者はどんな仕事をする?
原子力技術者とは、核燃料サイクルに携わる技術職で、主に原子炉やプラントに搭載されているパーツや機器の設計や製作、試験や保守管理を行うことが主な職務です。
核燃料サイクルとは、採掘したウランを濃縮加工して燃料体を作る作業からスタートします。
その燃料体を原子炉で燃焼した燃えカスの中にプルトニウムやウランなどの有用物質が含まれているため、これを回収して再処理を行います。
再処理の際には放射性廃棄物が生成されるため、適切かつ安全に処理して処分しなければいけません。
原子力技術者のお仕事は、このサイクル全てに対して大きく関わります。
ただし、一人の原子力技術者が核燃料サイクルすべてのプロセスに携わるわけではありません。
プロセスが細分化されており、それぞれの技術者が担当する分野に関して高い専門的知識やスキルを持ち、職務を全うします。
原子力技術者に向いている人とは?
原子力技術者が働く職場は多種多様ですが、原子力発電所のように24時間体制でプラントが稼働する職場もあります。
そうした職場においては技術者も24時間体制のシフト勤務となるため、不規則な勤務時間で働ける体力や精神力が必要不可欠です。
また、職場によっては放射線の影響を少なからず受けるリスクがあるため、そうしたリスクに対する正しい理解を持つことも原子力技術者として働くために求められます。
高い専門性が求められるだけでなく、安全管理や危機管理、また新しい技術や機器に関する興味関心を持つことも、このお仕事を遂行するために必要不可欠です。
こうした点に根気よく取り込める資質を持っている人なら、原子力技術者に向いていると言えるでしょう。
原子力技術者の仕事は正確さや精密さが求められますし、災害時においては適切な判断力も必要不可欠です。
そうした資質がある人なら、原子力技術者として適しています。
職場によっては、都市部ではなく地方で働くことが多い点も原子力技術者の特徴です。
そうしたロケーション的なフレキシブルさがあることも、原子力技術者に求められる適正の一つです。
原子力技術者はどうやればなれる?
原子力技術者になるためには、原子力工学をはじめ、機械工学や電気工学など工学系に関して基本的な知識を持っていることが必要不可欠です。
大学や専門学校では、こうした理工学系の学部で学ぶのが得策です。
原子力技術者の仕事は、原子力発電所や専業会社、また建設会社や電機メーカーなどにニーズがあります。
原子力を取り扱う企業は主に大手企業が多いため、原子力技術者として活躍するためにはまずこうした原子力を取り扱う企業へ就職または転職することを目指すと良いでしょう。
原子力技術者のニーズは、日本国内だけでなく海外にもあります。
語学力が求められる職種なので、そのスキルを活かして海外企業へ転職することも選択肢の一つかもしれません。