舞台演出家になるには

意外と安定しているのが舞台演出家

興行不況といった言葉も聞かれる近年ですが、その中にあって安定的な人気を継続しているのが舞台です。
舞台は演劇やミュージカルなど直接俳優・女優が出演して行うライブパフォーマンスであり、テレビ番組や映画とは全く違った臨場感があります。
日本における舞台文化は古く、伝統芸能として現在も行われている歌舞伎や能といったものに加え、戦後大きく発展した演劇、ダンス、演芸といったジャンルがあります。

ここ最近では人気のアニメ・ゲーム・マンガコンテンツと連動した舞台も数多く開演されており、優秀な舞台演出家を求める場面も増えてきました。
まず「舞台演出家」とは何かということから簡単に説明をすると、ある演目を上演するときにその演劇のプランをつくり出演者の演技指導をしたり場面ごとの照明や音響、大道具や小道具を考えていく役割のことを言います。

一つの舞台を作り上げるためには、役者や衣装・道具係の他、舞台監督や監督助手、脚本、照明など裏方のスタッフが多く必要になります。
舞台演出家は舞台監督の指示を受けて演出を考えていく役割の一つであるとともに、その演劇の良し悪しを決める非常に重要な役職でもあります。

演劇への情熱が力強い武器

舞台監督として仕事をしていくためにはまず深い演劇に関する知識が必要になります。
そのため一般的にはまず高等学校を卒業したのちに芸術学部のある大学や短大に進学したり、舞台に関する専門学校に入学をしたりします。

舞台監督をまっすぐ目指す場合には裏方の業務を一通り経験してから監督助手となって既に実績を多く積んでいる監督のもとに入り、そこから自分が演出を担当させてもらえるチャンスを探っていくことになります。

舞台演出家はちょうど舞台監督と現場の人をつなぐ中間の役割となることから、双方の意見を聞いてそこからもっともよい提案を考えていくという能力が必要になってきます。

管理能力も問われる

舞台監督は一見職人的な専門職のように思えますが、実際には多くの人の仲介役となる管理職的な立場にもなります。
芸能関連の仕事に共通していることですが、非常に人間関係のつながりが重要になっており、どういった人とコネクションを作っていけるかということも演出家としてのスキルにつながってきます。

また演出だけを経験するよりも、実際に自分が舞台に立つことによりどういった演出がそれぞれの場面にふさわしいかということを知ることもできます。
未経験から舞台演出家を目指すならまずはいずれかの劇団に所属してそこで仕事を一通り経験するということが必要でしょう。

いずれにしてもより多くの経験をしてアイディアの引き出しを作っていくことができるかどうかが長く仕事をしていけるかの分かれ目になってきますので、常に貪欲に新しい手法を取り入れるという意識が大切です。