庭師の仕事

古くからある庭師

庭師は古くから存在している個人やビルの中庭部分の整備をしていくための仕事です。
日本の古典芸能である落語の演目を見ても「青菜」や「植木屋娘」など庭師が登場する話はいくつかあります。

日本の住宅では松などの木々を植栽したり、池を作って鯉を泳がせたり、石を配置したりといった庭造りの技術が歴史的に行われてきましたが、庭師というのはそうした庭造りの基本を学び定期的にその庭を訪れて整備をしていくということが主な業務となります。
現在ではそうした純日本庭園とされるような庭はそれほど多くなくなりましたが、その代りに英国風ガーデンなど庭のデザインバリエーションが増え、専門性の高い仕事となっています。

一般的に「庭師」という名称は日本庭園を作ったり整備をしたりする仕事のことをさしますが、個人で営業をされている人の中には日本庭園以外にもいくつかの種類の庭を提案しそれを設置していくということを仕事にしているケースが見られます。
庭師の具体的な作業として、植栽されている樹木の枝切りや落ち葉の掃除、植物の状態を見ての肥料や土の調整、日当たりのチェックや水まわりの清掃といったものがあります。

特に技術が必要になるのが枝切りで、植えられている樹木の種類によりその特性を考えた伐採や整形をしていく必要があります。
庭に植えられている樹木の整備のみをする「植木職人」という仕事もありますが、庭師の場合はそうした植木職人の仕事にプラスして、庭全体を見通したトータルプロデュースをしていく能力が求められます。

弟子入り以外でもルートはあります

庭師という仕事はもともと職人仕事として伝えられてきたものなので、現在でも徒弟制度としてまず既存の庭師に弟子入りをしてそこでしばらくは下働きをしながら技術を学んでいくという方法が取られます。
しかし先にも言ったように日本庭園の数が年々減少傾向にあるのに加え、徒弟制度をとっている古くからの庭師が後継者不足のため廃業をするケースも増えてきています。

そこで昔ながらの弟子入りという形ではなく資格として技能を取得してそこから庭造りの仕事をしていくというルートも取られるようになってきました。
専門学校などで造園士課程を選択したり、建築系の学校で庭造りについて学習をすることで住宅メーカーやインテリアメーカーに勤務をしてそこで庭の提案をしていくという仕事に就くことができます。

体力が基本

庭師の仕事は年々近代化されているとはいえ、基本的には体力勝負なところがあります。
高いところに上ったり重い荷物を持ったりということも多くありますし、夏場は炎天下の中屋外での作業をしなくてはならなかったりします。

さらに庭造りは植物との連携あってこそのことになりますので、きめ細かく観察をしてそこから必要なケアをしていくというスキルも必要になります。