漁師になるためには
漁師という職業名称は、漁業に関わる仕事のうちで直接魚介類を捕獲するための業務を行う人のことをいいます。
日本は国土全体を海に囲まれた島国なので、全国各地には有名な漁港がたくさん存在しています。
総数で言うと全国でおおよそ3000港があるとされており、それらは第一種漁港、第二種漁港、第三種漁港、第四種漁港、それに特定第3種漁港といった5つに分類されています。
漁港の中には北海道の函館港や静岡県の焼津港、鹿児島県の枕崎港といったような全国的な知名度のある漁港もいくつかあり、その土地ならではの海産物を獲ってはその場で販売をしていたりします。
漁師として働くためにはまずはそれらの漁港の中から自分が勤務をする港を決めるとともに、どういった営業方法をしていくかということを考えていくことが必要になります。
漁業には「沿岸漁業」「沖合漁業」「遠洋漁業」という三種類があり、それぞれ港から出かける漁場の範囲によって分類をされています。
上記で書いた第一種~第三種の漁港分類はその港から漁獲に出かけることができる海洋の距離によって分類されています。
一般的な漁業は沿岸漁業
私達がいわゆる「漁師」と呼んでいる人の多くは、その港近郊で漁獲を行う沿岸漁業を行う人達のことを言っています。
もちろんより遠くで漁獲を行う沖合漁業や遠洋漁業も重要な漁業ですが、例えば鹿児島県の枕崎港ならカツオ漁のように、その近くの海であるからこそ多くとれる海産物が全国には多く見られるので、より運営をしやすくするためにはそうした沿岸で行う漁業の方がアプローチがしやすいということになります。
また沖合や遠洋で漁業をするためにはそれなりに大きな船がなければ出かけることができませんので、個人の漁船規模ではなかなか難しいということがあります。
沿岸漁業の場合、ほとんどの漁師は自分の漁船を持つ個人経営であり、同じ港を根城にする漁師の人たちと協力し合いながら漁業を営んでいきます。
仕事は基本的には日帰りで行いますが、場合によっては夕方近くに出航して翌朝に帰宅するといった方法で漁業をすることもあります。
まずは自分の漁船を手に入れる
全く未経験で漁業に飛び込んでいこうという場合には、まずは個人で行っている漁師さんにアルバイトなどとして随行をしてそこでの仕事を教えてもらいます。
漁業においては船の操船技術や漁獲のための器具の操作方法などかなり専門的な知識が必要になるので、まずは実際に漁業を体験しそこでどういった用具や技術が必要かということを勉強していきます。
漁船を操船するためには「小型船舶操縦士免許」という運転免許が必要になるので、仕事をしながらそうした必要な免許を取得していきます。
ある程度技術が身についたら、いよいよ自分で漁船を購入して漁師としてデビューしていくことになります。
後継者不足で悩む漁師さんも多いので、長くその漁場で仕事をしているうちに漁船を譲ってもらえるかもしれません。
新たに漁業を開始したいと思う若手に対しては、各漁港で援助制度を行っていたりします。
漁師としての技術とともに、そうした営業に必要な制度や援助についても詳しく勉強をしていくとよいでしょう。